彩の国ファミリーシアター 音楽劇「ガラスの仮面」
23日ソワレ 彩の国ファミリーシアター 音楽劇「ガラスの仮面」彩の国さいたま芸術劇場大ホール
劇場1階ガレリアでは「はじめてのガラスの仮面」と題して人物相関図やメインキャラクターのインタビュー(笑)、原作でマヤが演じる作品解説の企画展。開演1時間前から劇中曲などのミニコンサートあり。
全キャストをオーディションで選出。企業の特別協賛があるものの夏休みに家族で楽しめるよう製作された公共団体主催の舞台、という理解であってるかな?
いつもの蜷川作品と比べたら半額に近いチケット代は一家数名での観劇を考慮してのことだと思います。確かにいつになく劇場にはお子さん達が多く見受けられました。
とはいえ一家3人で観てからファミレスにでも寄って帰ろうなんて思ってもらうには\6,000という価格は決して子育て世代の家計に優しいとは言えません(お父さんが真っ先にはみ出しちゃうんだろうな)。
せっかくファミリシアターと謳っているのだから子供料金もしくは家族割引の設定をする位の配慮が欲しいものです(アンケートに書きそびれたのでここに書いてみた)。
直近に観た同じく公共団体が主催する子供向けの芝居が素晴らしく配慮されたものだったこともあり、比較して考えさせられてしまいます。
原作の連載開始からずっと読んでましたが、さすがに途中からは単行本化されるまでは読まなくなったし、休載以降の作品も読んでないのだけれど。
ファンというより世代の共通語として知ってて当然なことがらのひとつ。
大竹さんの舞台は拝見してないけれど、安達由実チャンのTVドラマには結構はまってました。なのでワタシの実写基準はTV版(笑)
劇場に入るといきなりそこはお稽古場。素の舞台のそこここでストレッチしたり音楽聞いたり自主的に身体を動かす多勢の若者達。開演5分前のアナウンスは実際の5分前。客電がゆるやかに落ちて始まるのはバーレッスン。バックステージ物ミュージカルにありがちなオープニング。
オーディションで集まった役者さんの殆どを存じ上げないので、全員のレッスンをちょっとずつ見てどんな人かを漠然と思い描きます。指先まで神経が行き届いた優美なポーズを保ついかにもバレエダンサーな人、型はそれっぽくこなしてるけれど身体がストリート系ダンスな人、役者のレッスンとしての一部程度に動いてる人、マッスル何某風味でスポーツは得意そうだけど踊りには縁がなかった人、基礎も全く知らない人、等等。数分の柔軟だけなのに役者さんについて多くの情報が得られる興味深いシーン。
同じ“劇団員”という配役の括りの中にも様々なバックグラウンドを持つ人を集めた雑多さがエネルギーになる舞台。今は無名でもこの舞台から飛躍しようとしている彼等はオンディーヌやつきかげ、一角獣の劇団員そのものなのだから。
青木豪さん(ニナガワとグリング!)脚本はマヤが月影先生に見出され、普通の少女から演劇を真剣に目指す辺りまでを原作を知らない人が観ても分りやすいよう丁寧に整理されています。その分原作ファンには物足りないところもあるけれど、幅広い年齢層を想定しての本として良質な作品だと思います。でも、やっぱりあのシーンは欲しかったな、とか。
マヤの大和田美帆さんを舞台で拝見するのは「PURE LOVE」以来かな。歌が...お上手になったのねぇ。線は細いけどミュージカル風な発声。中学生のマヤを演じなければならないので芝居がわざとらしくなるのは仕方ないところ。彼女のせいじゃないけど、とにかく衣装がいただけない。携帯電話を登場させてるということは30年前じゃなくて現代ですよね。今時そんなワンピはどこにも売ってません。逆に入手困難レア物で高いんじゃないか(笑)原作のテイストを活かそうとして失敗してると思う。
奥山佳恵さんの亜弓はもともとが浮世離れしたキャラなので中学生に見えなくても特に問題なしでしょう。
が、二人とも演技の天才少女なのだから指導に対してのメリハリがみられないのは...ねぇ(^^;...それも演出なのでしょか?
TV版では野際さんの月影先生と田辺誠一さんの真澄サマが原作を壊さなかったのに感動したものですが、夏木さんの月影先生も迫力ものでした。演じることへの執念が凄まじい。
月川君が麗だったのには「なるほどぉ」。
源造さんが肩から掛けてるオクサマのバッグが何気にクロコだった!
マンガを読んでいた時にかわいそうと思いはしたものの、あまり気に留めなかったマヤのお母さん。ひとり残されてお店を切り盛りした挙句に病に倒れるんだよね、と別れのシーンがぐっと胸に応えるのは自分の歳が春さんに近くなったからでしょう。
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