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August 20, 2008

東宝/東宝芸能「宝塚BOYS」

2日ソワレ 東宝「宝塚BOYS」シアタークリエ
昨年の初演時にはチケットを取っていたものの観ることができず、評判だけ聞いて悔しい思いをした作品。今年こそはと開幕2日目の観劇。
期待以上に素晴らしい作品でした。

終戦間もない1945年に特設され54年には解散と短い期間ながら確かに実在した宝塚歌劇団・男子部。辻則彦さん作「男たちの宝塚」をもとに中島淳彦さんが脚本を手掛けた、熱くて切ないウェルメイドな物語。ひたすら大劇場への出演を夢見て全てを懸けた7人の男達。
鈴木裕美さん演出はキャラクターひとりひとりに愛情を持って接してるから全員がリアルに息衝いてます。

人々の大半が生きることで精一杯な昭和20年、女の園に「これからは男も宝塚の舞台に立つべきだ」と出征先から命拾いして戻った青年が宝塚創始者である小林一三氏に直訴の手紙を出したことから始まった男子部。
あらすじは公式サイト

実在した男子部設立の背景には、宝塚でも男の役は男が演じるようになるだろう、という進駐軍を意識しての配慮があったのだろうと思います。興行として存続させるための模索というか、オトナの事情。
この物語はそんな社会的背景とは無縁に、ひたすら宝塚が好きで舞台に立ちたいという純粋で真っ直ぐな想いを中心に進みます。
男子部一期生として集まってきた様々な経歴の男たち。彼等の存在を快く思わない周囲から孤立しながらも、ひたすら稽古をし系列劇場での雇われ仕事をこなす日々。

いつかは、の夢を思い描いているだけで努力を続けていられる訳ではなく、特攻隊の出撃しそこないだったり、空襲で一家離散、若くして死んでいった部隊の同僚達への思い...それぞれが心に刻みつけた思いが明かされるにつれ、甘い夢物語に浮かれてるのではなく重い決意があることが判り、観客の彼等に対する愛おしさが深まっていきます。
そして一度も華々しいスポットライトを浴びることのないまま解散を余儀なくされる男子部。彼等の憧れを詰め込んだ夢の中でのショーは煌びやかで美しく、そしてどこか儚げで切なく胸にぐっと込み上げてきます。
ついに報われることの無かった男達の去り際は、とても辛いのですが、挫折よりもやり遂げたことへの満足感を漂わせる表情に救われます。

男子部の賄いのオバさん役で唯一の女性出演者の初風さんがとても素敵。ちょっと距離を置いた感じだけれど、とても彼等を好いているのが判ります。実は挫折した元ジェンヌさんだったという設定で、男たちの稽古相手をするシーンでは娘役トップの面目躍如。初演ベルばらでのアントワネットさまを思い出しました。
直訴状を書いて男子部発足のきっかけを作った青年役の花緑さん、ちょっと頼りないリーダーだけれど生真面目さが胸を打ちます。本当はもっとお上手なのにわざとバタバタ踊るバレエレッスン姿ににやり。
圭吾さんは7人のうち唯一プロのダンサーとして請われて男子部に入ったちょっと異質なキャラがよく合う。どんな衣装を着ていてもそれなりにカッコいいのだけれど、ショーでスパンコール付の衣装に着替えた途端に輝き倍増。キラキラがどんな服にもまして似合うのでした(笑)

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