TBS「フラガール」
27日マチネ TBS「フラガール」赤坂ACTシアター
夏だから、という訳ではないけれど。
映画の人気そのままに立ち見多数の客席。花のF4阿部力クンとW主演の女優さん(福田沙紀さん、片瀬那奈さん)目当ての方々はむしろ少数派に見受けられました。
映画の脚本を手掛けた新宿芸能社(というより映像脚本が本業かも)の羽原大介さんが舞台用に書き換えた脚本は、当然ですが映画から大きく逸れることはなく、それ故に複数の場面と距離をいかに表現するかが演出家(山田和也さん)に求められます。
稽古場、紀美子の家、まどかの家などきちんとセットを作ってスライドさせたり吊った書き割りで場面を具体的に見せる方式は分かりやすいけれど、そこまで親切にやらなくたっていいんじゃないかと思います。まぁ暗転は最小限に留められて芝居がだれることはありません。むしろフラガールズの衣裳替えのために明らかに繋ぎで不必要な吉本(田山涼成さん)の笑かしが不発に終わっていることの方が観ていてキツイ。
転換時に流れる音楽が一昔前の商業演劇チックというか、やけに御大層だったりホームドラマっぽかったりするのはワタシの趣味じゃありません。映画のサントラ使えばよかったのにな。
映画と違う点はまどかとの関係を少しこじれたものにし、ハワイアンセンターオープン当日のエピソードが追加されています。紀美子の見せ場を増やし且つ着替えの時間稼ぎなんだと理解できますが、何故舞台に戻っていったのか?紀美子の気持ちの変化が不明確なため、まどかが一人でがなり散らすだけに見えてしまい、場面の価値がもうひとつ上がっていないのは勿体無い。
映画では伏線として薄い印象でしたが、舞台ではフラの動きには意味があり、振りより気持ちが入っていることが大切なんだと台詞で宣言。それが駅で生徒達がまどかを引き止めるフラにより大きなインパクトを持たせており、かなりグッときます。
なんと言っても見せ場は総勢27名でのショー。2列目なんて間近で観ていたこともあり、映画そのままに優美なフラや激しいタヒチアンダンスには圧倒されました。ハワイアンズからプロのダンサーさんも何人か御出演だそうですが、役者さんがこの公演の為に習い覚え全力でぶつかってくるダンスに拍手を送りたい。
沙紀ちゃん頑張ってます。ソロの見せ場では、両袖に引っ込んだガールズから掛け声が飛ぶのですが、それは紀美子に対して声を掛けている設定だからだけじゃなく、辛いレッスンを共に乗り越えてきた仲間の沙紀ちゃんに対しての心からの声援のように聞こえました。
舞台のためにひたすらレッスンした彼女達は役の炭鉱娘そのものなのだと思います。
その感動とは別に、そりゃ映像は何度も撮り直して一番良いところを繋いでるってことは判ってますが、松雪さん、優ちゃんの身体能力の高さを思い知った面もあります。
片瀬さん、松雪さんそっくりな演技で器用なんだろうと思う反面、ワタシには彼女らしさが見つけられず。沙紀ちゃんの福島訛りが可愛らしい。激しく踊った直後の台詞がしっかりしているのにはびっくり。
根本さん、鈍臭くて無口な小百合のキャラが自然。
阿部さんは炭鉱夫の衣装が馴染んでいて役者としてはオッケーなんですが花男みたいなカッコ良さとは縁遠く、ちょいザンネン。田山さん、様々なシーンでお疲れ様でした。
観終えて「よかったね」って気分になれる舞台でした。ご家族連れにもオススメ。


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