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March 02, 2008

せたがや文化財団「春琴」

1日マチネ せたがや文化財団「春琴」世田谷パブリックシアター

すごかった!演出も役者さんもトータルで観応えありました。特に想像力を掻き立てる演出がワタシの好みにストライク。オススメです、が前売りは完売しているらしいですし当日券もマチネ終了時にはソワレの方が待ってたので厳しいかも(^^;

サイモン・マクバーニーさんが谷崎の「陰影礼賛」というキャンバスの上に「春琴抄」を水墨で描いたような演出・構成。
百恵ちゃん映画を何故か封切り時に見てますが(笑)そんなのよりも、かなり以前真夜中にTV放映していた大映モノクロ映画(誰が主演だったのか覚えてないけれど、佐助が目を突くシーンを裸体の役者さんが槍投げの槍を構えて助走しているのをスローモーションでみせてたのを強烈に覚えてる)と似た世界だと感じました。

真っ暗なスタジオでは関西の某国営放送ラジオ用ドラマ収録(多分外注)のナレーション録りに来た声優さん(立石涼子さん)用のデスクについたスタンドのライトが唯一の光で照らし出された台本とそれを読む声優さん以外は闇に埋もれているシーンからスタート。
物語の世界に入り込んでも光の中にいるのは春琴であり、佐助は常に光から外れたところにいて明暗の対比が明快。
途中、声優さんの恋愛話がインサートされ物語の世界から一歩引いてブレイクを作っているのも物語の多重性を印象付けていて面白いです。

大道具と呼べるものは可動式の壁と畳、声優さん用の机くらいで、あとは出演者が手にした角材で襖や家そのものを創っています。道具になっている時の役者さんにはもちろん光が当たらず、舞台にいても役者であって黒衣、あえて言うなら黒衣の役を演じているような状態。襖を開けるときに2本の並んだ角材のうち1本を持っている黒衣役者が一緒に移動して襖の桟になっていたり。
奥の壁には時に小説の抜粋や春琴のたった1枚残っているという写真、大阪の街並などといった映像がうすぼんやりと投影されます。

深津ちゃんが全編を通して(生身では後半だけ)春琴の声を演じて面目躍如。自身も人形を遣いながら動きに合わせてのアテレコ、ちょっと夜長姫を思い出させる気位の高さや芯の強さになめらかな大阪弁も強力な武器。
子供の頃は深津ちゃんと宮本裕子さんが遣う人形が、成人してからの数場は宮本さんが演じます。宮本さんが演じるといっても人形振り(身体の沈め方が素晴らしかった)で主体はあくまでも声の深津さん。佐助を3人の役者さんが主体的に演じるのに比べ、ナレーションと春琴は声に重きを置いている、ということなのでしょうか?

P1010377盲目の少女を人形にしたのはおみごと。とにかく人形と佐助の濡れ場がそれはそれは艶っぽくてドキドキ。チョウ・ソンハさんの背中の筋肉が美しかった(そっちかい!笑)
ソンハさん長唄もお上手でした。そういや映画では百恵ちゃんも旧作も名前にちなんでか春琴は琴をよく弾いてたけど、この舞台では琴が登場しませんでした。動かしにくいから?
立石さんのナレーションがたおやか且つ様々な感情を想起させる膨らみがあって素敵。
三味線奏者の本條秀太郎さんが役を演じつつ生演奏される三味線の音色もお声もいい雰囲気。

ラストにとあるものを壊すのだけど、ワタシには衝撃的で「あぁ外国人の演出だぁ」と思わされたりもして。
ケーキとスパークリングワインで上質の舞台を讃えて。これがやりたくってカフェじゃなくてエチカに行った訳で(爆)

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