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September 18, 2007

松竹「憑神」

17日 松竹「憑神」新橋演舞場
面白かった!
橋之助さん&G2さんコンビでの第二弾。会心作と言っても良いんじゃないでしょうか。作品と橋之助さんのキャラクターがピタリとマッチ。小気味良く畳み掛ける演出が程よく盛り上げます。大劇場でのエンタメ作品として幅広く受け入れられる仕上がり。
昨年の魔界転生がいまひとつ納得できなかったので、あまり期待せずだったのですが(スミマセン)嬉しい誤算でした。

浅田次郎さんの原作も映画もみておらず、ただTVでみかけた映画の予告編でのツイてないのにとり憑かれた男の話とだけ。
先祖が家康の影武者の一人として活躍したという所以はあるものの今は御徒士組の次男坊・彦四郎は生真面目なのをかわれて婿入りしていたけれど、部下の不始末の引責で離縁され戻った実家でも兄嫁から厄介者扱いされ離れでくすぶる日々。酔って転げ落ちた土手下で見つけた小さな祠は三囲ならぬ三巡稲荷。霊験灼かな三囲さまと勘違いして拝んだのが運のつき。彦四郎のところにやって来たのは貧乏神に疫病神と死神だった...

真面目なのに、もっともらしい悪魔の囁きが聞こえる度に「敵をうつため」「お家のため」などと自分に憑いた神様をさっさと宿替えさせちゃう。次の宿主が悲惨な目にあっているのを心苦しく思ってるようでいて、でも自分のとこに戻そうなんてことは欠片も思わないのね(笑)
彦四郎一家や周囲の人々に実在の人物、榎本武揚や徳川慶喜のエピソードを上手く絡めることで時代背景が明快になり、そんな時だからアリかも、みたいな不思議な説得力を持っていて、登場人物がそれぞれ活き活きと存在しています。
単なる貧乏侍が憑いた神様たちのおかげ(?)で次第に歴史を大きく変えるような大仕事に立ち向かうようになる様がアップテンポな演出で効果的に表現されており、クライマックスはぐっと胸に迫るものがあって客席がし~んと静まりかえり展開を観守っていました。

なんと言っても橋之助さんが彦四郎にピッタリ。理屈っぽいとこや生真面目ゆえに可笑しいとこも、打って変わって大きく見得を切るシーンもとにかく似合ってて、全身汗だくで奮闘している甲斐は充分あると思います。
映画の脚本とどれほど違いがあるのか知らないのですが、この舞台の本での彦四郎からは妻夫木くん(だけじゃなく若手俳優のほとんど)を想像できません。

彦四郎の兄・ダメ過ぎ長男役のデビット伊東さんが手堅い芝居されてて驚き。秋本奈緒美さんがコケットな役をさらりといい味出してます。葛山さんも大きな舞台に大分慣れてらした様子。冬物の軍服がいかにも暑そうで、橋之助さんの次に汗だくでした。
初嶺麿代さん(存じ上げず調べたら元ジェンヌさんとのこと)はまだ大きく芝居するクセが抜けないようで、ヅカの子供役みたいな発声と大仰さが目立っちゃってました。
杏ちゃん堂々としたもんですわ。藤谷美紀ちゃんが彦四郎の妻役なのだけど、思ったより出番が少なくちと勿体無い。

小劇場系では升さんがはんなり(は京都だわね。大阪弁にするとどういえばいいんでしょう?)と良いキャラ。転球さん大劇場での三枚目が似合ってきましたね。今回かなり美味しい役。コングさん可愛い。関さん馴染みすぎてて松竹芸能の人みたいだわ。

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