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September 01, 2007

メジャーリーグ「シラノ・ド・ベルジュラック」(ネタバレ)

29日 メジャーリーグ「シラノ・ド・ベルジュラック」青山円形劇場(ネタバレ)

プレビュー公演。(
今回の観劇にあたり初めてシラノが実在の人物だったことを知りました。知らな過ぎ(^^;

市川右近さんのシラノに安寿ミラさんのロクサアヌ。男ばかりの歌舞伎と女ばかりの宝塚、両極にあり実は相通じる要素を持つ演劇手段の主役級二人に市川猿弥さん、花組芝居の加納さん桂さん、さらには坂部文昭さん、たかお鷹さん(他の芝居で女形やってらしてて手慣れてるなぁと感心したっけ)、これでもかと濃い人ばかりを集めて。

フランス人なりきりのため?みんなメイクがレトロな西洋人形みたいで可愛らしい(^^)衣装が豪華ではないけど思っていたよりちゃんとしてて、何役も演じ分ける役者さん達は早替りが大変そう。猿弥さんそれを笑いで魅せちゃうとこもお上手。


辰野隆さん・鈴木信太郎さん翻訳(文学座のサイトによると1951年初演なのですね)の台詞は古典を意識した美文調。歌舞伎役者が喋るにはうってつけ。逆に現代劇の役者さんにはなかなか手強い言い回しが多々あり、ところどころ不安定な方も。今後の進化に期待。

戯曲にかなり忠実な上演で15分休憩を挟みほぼ3時間。
1幕が全般的にとっちらかってて長く感じるしそれぞれの人物の登場にあまりインパクトがなく「どんな人?」が判り難いかも。特に冒頭のクリスチャン、シラノ主役とはいえもうちょっと目立ってもいいかな。
修道院の場面は、それまでの喜劇的印象から一転、情緒たっぷりのロマン劇に変貌。ロクサアヌのこと以外は全てにどうでもよくなってしまった自分を捨てたシラノ、という風情が哀愁に満ちてて姿を見るだけで切なくって(が、ちょっとだけ俊寛を連想してしまったワタシ...性だわ)。
自分だけの世界で完結してるロクサアヌの背中で次第に弱っていくシラノが最期の力を振り絞る姿には泣かされました。
...なんだけど、すっごく気持ちが昂ぶってシラノに涙していても、朗々とした台詞を延々聞かされると「もういいんじゃないか?」と感じちゃうのは否めません(^^;


なにしろプレビュー。これから進化する気配なので次回観るのが楽しみです。
ちなみに当日12時過ぎまで猿弥さんは歌舞伎座にご出演で幕末の世界に活きてました。歌舞伎役者ってやっぱり凄いと思う。

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