メジャーリーグ「シラノ・ド・ベルジュラック」
6,9日ソワレ メジャーリーグ「シラノ・ド・ベルジュラック」青山円形劇場
“ザ・プレビュー” (笑)だったプレビュー公演から回を重ねて千秋楽まで、徐々に芝居が深まっていくのを見届けた感あり(^^;
プレビューがだめだったということではなく、進化を続けていたということ。美文戯曲の手強さ、たった7人で全ての役をこなすため台詞量が全員ハンパなかった上に早着替え、円形の舞台を目まぐるしく使う段取りの多さ...全てを消化して更にプラスアルファの芝居を求められる役者さんは本当にたいへんだったと思います。
プレビューでは耳に入るけれどあっさり通り過ぎてしまった長台詞も、次第に意味を持って心に届くようになりました。台詞の美しさが心地良く、半世紀以上前の翻訳が今も名文として上演し続けられている理由が良く判ります。
昭和初期の浅草芝居を模しているのでしょうか?定式幕を壁一面に張り巡らせた空間で、オープニングの物売りや、アコーディオンとヴァイオリンの生演奏はノスタルジックな曲調。江戸っ子ばりにべらんめぇ調の右近シラノが雰囲気によく似合っています。鷹さんの軽妙な三枚目も懐かしいお約束。
身勝手なロクサァヌを悪意無く自分に陶酔している天然キャラとして描くことで、彼女を取り巻く男性陣の騎士ぶりが際立ち、クリスチャンもシラノもド・ギッシュでさえ男らしい人達に見える心優しい物語仕立て。
タイトルロールが一人際立つ座長芝居との印象がある作品だけれど、チームプレーで7人それぞれが主役になっている演出が新鮮。
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