ホリプロ「ヴェニスの商人」
18日ソワレ ホリプロ「ヴェニスの商人」銀河劇場
RSC気鋭の演出家グレゴリー・ドーラン氏演出。河合祥一郎さん新訳。
劇場スタッフ全員が中世をイメージした服装で嬉し恥かしな雰囲気。開演前に二階からは生演奏、ロビーのそこここに仮装をした出演者がいて写真撮影に応じてくれます(^^)物語の舞台カーニバルの夜が既に始まっていたんですね。
ロビーから次第に舞台に集まってきて仮面を取ったら...え~~!って方の仮装にビックリ。
ワタシが初めて接した「ヴェニスの商人」は教科書~裁判の場面だけの抜粋~でした。挿絵の怖し気な表情と合わせてシャイロック=悪人との刷り込みに久しく支配されてましたが、舞台をいくつか観るようになり、実は彼こそ被害者なんじゃないか?と考え方ががらりと変わりました。今回更にその思いが強く、本当に後味の悪い作品(舞台が良くないという意味じゃなく)。
そして何故かタイトルロールはシャイロックだと思い込んでたのが、アントーニオのことだったんだと目から鱗に今更気付いちゃいました(おひおひ(^^ゞ
他にもワタシにとっての発見がたくさんある舞台でした。
チラシは市村シャイロックがやや大きく、次いで藤原バサーニオ寺島ポーシャ、西岡アントーニオが登場しています。この公演のほとんどが集約されてるチラシだったんですね。あとジェシカ(京野ことみさん)が登場していたら完璧かな。
何となく座長芝居と思い描くのだけど、実は場面により主になる人が異なる群像劇のような作品だったのだということにも気付かせてくれました。
ユダヤ人に対してだけじゃなく、宗教や人種、身体障害などマイノリティへの差別が存在する社会であることが普通に描かれている。その差別をシェイクスピア自身も日常当たり前のこととして無意識に描いたのかどうかは判りませんが、演出家は意図してその差別を強調し提示しています。だから尚更シャイロック父娘が可哀相になる。
しかしやはり台詞劇の国の演出家だなぁ。台詞を大切にするのは当たり前だけど、長台詞になると視覚的な刺激が減って単調。もう少し何かあってもいいんじゃないかしら。
藤原くんはずっと主役でいることが当然のような舞台ばかりで、場面によっては長い時間舞台にいても中心にいないし台詞も無いってひょっとして初めてじゃないかな?その他大勢的存在の仕方から主役に切り替える調子が難しいのか、まだ弾け切ってない。これから進化してどうなるのか楽しみ。
見た目年齢的にどうか?と心配したけどしのぶさん清楚な雰囲気で違和感なし。佐藤仁美ちゃんイイ感じです。寂し気なことみちゃんジェシカの最後の表情に共感しました。


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