NODA・MAP「THE BEE」ロンドン版
29日 NODA・MAP「THE BEE」ロンドン版 シアタートラム
千秋楽。日本版の痛みをまだまだ忘れられない状態で。
ロンドンでの上演では性的暴力シーンを入れられないために井戸と小古呂の妻を男女入れ替えてのキャスティングだったとのことですが、野田さんより小柄なキャサリン・ハンターさんの井戸は、まさに欧米人から見た日本人サラリーマンなんだろうと。野田さんが演じるよりリアリティーあるかも、なんて思います。
ストーリーが判っているから、だけじゃなく、ロンドン版は日本版に比べ判り易い。大柄なトニー・ベルさんの警部が小さな井戸に圧し掛かるように威圧するシーンはじめ、役者さんそれぞれの動きがとても具象的だし、ちょっとしたキャラにも個性の主張があって印象に残ります。だから、というのではなく、役者さんのバランスや全体の雰囲気でロンドン版がオリジナルなんだな、と思わされます。日本版ではあまり感じなかった人種や階級差、その意識があるお国柄だからこそ表現できることってあるんですよね。井戸、警部、安直、小古呂の妻それぞれが相手に抱く(被)差別意識って日本人同士じゃくっきりとは出てこないもの。
ロンドンのお客さんは、この舞台の町はどこだと思ってみてたのかなぁ?日本、それともロンドン?名前の響きじゃ国籍わからないだろうし、特に野田さんが演じる小古呂の妻なんて名前もないんだから何人だと思われるんでしょうね?
役者としてハンターさんの表現力の素晴らしさに感動。存在感の薄いサラリーマン井戸から次第に自分を主張して征服者のように君臨し、何かの歯車の一つのように無意味なものへと変貌する様が実に鮮やか。
野田さんは根っから女形やるの好きなんだなぁ(笑)と。色っぽい動きをする時より襟足に手を置くとかふとした仕草が柔らかくて艶めかしいのね。
劇中曲はどちらも「剣の舞」に日本語のシュールな歌詞付き。この歌詞、すっごく強烈で自分を押し付けつつ逆ギレてるところが井戸の心情に妙にマッチしていて凄い。井戸とこの曲がすっかりセットで印象付けられてしまってます(笑)
TrackBack
TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/12629/15990003
Listed below are links to weblogs that reference NODA・MAP「THE BEE」ロンドン版:


Comments