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July 13, 2007

「東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン」

8日ソワレ
日本テレビ・キューブ・北九州芸術劇場
「東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン」天王洲 銀河劇場
チケット予約した時でさえ自傷行為と思いつつも、林隆三さん(中学~大学頃までワタシの好きな俳優さんNo.1でした)と加賀まりこさんを同時に舞台で拝見できるという誘惑には打ち勝てず。
...とか言いながら実は原作ちゃんとは読んでません(^^;映画もTVで予告編の希林さん見ただけで泣きそうになっちゃったから劇場で観る勇気ないし。舞台だったら映画やドラマほど泣かせに掛からないだろうし、原作のどこを抽出するかによって印象が変わるだろうと思ったこともあり恐る恐るながら行って参りました。

ボクの子供時代~現在を印象付けるエピソードをきちんと拾いつつ無駄なくすっきりしていて見やすい脚本(蓬莱竜太さん)。わざとらしく聞かせることもない台詞運びがスマート。
おだやかな中にもボクのオカンに対するストレートな信頼、オカンが息子に注ぐ愛情は揺ぎ無いものとして心に残ります。

それ自体を延々と演じるのはこの脚本家&演出家(G2さん)さんでは考えられない方向性だとは思いますが、オカンの闘病についてほとんど描かれていないことは、ワタシにとってかなりの救いでした。
三上さん、千葉さん、八十田さん、新谷さんと小劇場の胡散臭~い(笑)つわもの達やボクの子供時代から現在までの見せ方(笑)に笑いも織り込まれているし、何よりオカンが終始明るく存在しているので辛い気持ちにはならずに済みます。そりゃ後半は泣き続けてましたけど(^^;でもニュアンスは爽やか。

萩原さんのボクは、自堕落な生活からサラ金に手を出しそうな人物には見えないのだけれど、不器用な若者というイメージはぴったり。モノローグ的な長台詞はボクの言葉そのもの。やはり力のある役者さんだと思います。前作で丸くなった?と見えた面差しもすっきりと。
なんと言ってもオカン、加賀さんの芯の通った存在感が素晴らしい。「私はここ!」と主張する存在の仕方ではなく、軽やかにふわぁっと、だけど確かにオカンとしてそこにいるのです。
隆三さんの極楽トンボのようなオトンには、まさにこんな人だったのではないか?と思わされます。さわりだけとはいえ、久し振りに歌声も聴けて嬉しい。
新谷さんのぶどうが実に愛らしくて家に連れて帰りたかった(笑)
劇中で某有名歌謡曲をアレンジしたのを八十田さんが歌うのだけど、アレンジャー岡崎司さんか?と思わせるスレスレな外し具合、振り付けもらしくてらしくなく笑える。


立地が不利な劇場なので週末でもお手頃チケット出てるようです。
舞台をあまり観ない方にもオススメしやすい作品。

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