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May 11, 2007

シアターコクーン「薮原検校」初日

5/8 シアターコクーン「薮原検校」初日@シアターコクーン

34年前に書かれてから何度も上演された作品ですがワタシは初見。
地味だけれど手堅く骨太な作品を発信し続ける地人会が長年にわたって繰り返し上演していた作品と蜷川さんの相性やいかに?

長めの暗転の中、太棹のような生ギターでのオープニング、乾いた音で東北の荒れる波頭というよりもスペイン辺りの荒野に吹き荒ぶ風を連想させる響き。ウェットで重たい日本の雪を踏みしめて進む流しの盲太夫達というより彷徨えるオランダ人なのか?
縦横に張り巡らせた綱を頼りに渡り歩く座頭達、綱・ロープ・ん?NODA、じゃないよね
(綱はもともと戯曲のト書きに指定されてます)

歌詞は字幕が両サイドに表示されるのは『天保十二年のシェイクスピア』と一緒。
あぁ言葉を大切にする井上作品への配慮なのか、と今更にしてようやく気付いた(^^;
文字にしないと伝わらない耳慣れぬ熟語が多いものねぇ。
台本は今回用に井上さんが見直しもされているようで、雑誌の対談で段田さんが「井上さんから『、』を取りますという指示がでた」と。それを伝えちゃう役者さんって凄いなぁ。

初日ゆえ?こんなに不自由そうな古田さんを観たのは初めてかも。
ピカレスクな悪の色気を表現するならいつもの新太さんの方が楽なんでしょうけど、役を自分に引き寄せず、役に自分を嵌め込んでガチに取り組む新太さんの姿が新鮮。
たとえテンポが時折ずれたって、早物語は大奮闘。そりゃあ大変だと思います、とてつもない長さ(台本12頁分あるそうだ)を一気に語りきらなきゃいけないんですもん。

進行の壌さん、口説が実に美しい。井上作品のせりふを鮮やかに体現。
なんだけど、格調あるが故に、盲語りの下卑たところ、土の臭いが薄らいでしまったような。ナレーションと物語が乖離してしまった印象。
田中裕子さん、もっと出番があってもいいのに。
段田さんの内面に溜め込んだ小暗い残忍さが藪原検校よりも負の度合いが上回ってる。

宇崎さんの音楽、天保十二年~と比べると、より井上作品こまつ座風に。それがコクーンという器と合っていない感じ。唯一いいな、と感じたパンフでは「風に吹かれて」にわざと似せたとされる曲、ワタシには「朝○の当たる家」風に聞こえたんですが(^^;
ギター演奏の赤崎さん、シェフとしての腕もいいです。

処刑のシーン、つい先日同じ小屋で同じような宙吊りを観たばかりなので「あぁまたか」と思ってしまうのは否めない。勿体無い見方。

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