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February 19, 2007

TPT59「薔薇の花束の秘密」

18日 TPT59「薔薇の花束の秘密」ベニサン・ピット
「蜘蛛女のキス」を書いたマヌエル・プイグの二人芝居。過去に何度か上演されているけれどワタシは初見。観てる間はハラハラだったり違う意味でも心を揺さぶられるけれど観終えてちょっと安らかな気持ちになる作品です。オススメ。3/2まで。二幕で2時間半位。

付添婦役はずっと佐藤オリエさんだったそうですが、今回は毬谷友子さん。そして患者を安奈淳さんという元ジェンヌさん二名。内容とはまるで関係なくタイトルに相応しいキャスティングじゃないでしょか(笑)まぁ同じ薔薇でもベルばらを思い出しちゃいますが。
翻訳・演出に青空美人の木内宏昌さん。

アルゼンチン(たぶん)のお金が掛かってそうな私立病院の個室で療養している気難しい老女。厳格で気に入らないとすぐに癇癪を起こすため、今日やって来た中年付添婦は今週になって3人目。怒鳴る老患者に怯えつつも続けて雇ってくれるよう頼みこむ付添婦。実は無資格だけどキャリアがあるので雇ってもらえてるだけの不安定な日々だと告白。どうやら気に入られた付添婦が「自分の夢はバルセロナの病院でちゃんと学ぶこと」と言うと、老女は交換留学生として奨学金で行けるシステムがあることを教え、自分の弁護士に紹介状を書かせようとまで言い出す。実はその裏には...
最愛の孫を亡くし自棄になっている老女と同じく母を亡くし独りきりになった貧しい付添婦、それぞれが心に抱え苦しむことが次第に見えてくると、似たもの同士のような。

患者と付添婦は時にそれぞれの記憶の中では患者の妹になったり、付添婦の母となったり。過去がフラッシュバックし交錯する入れ子構造。どこまで現実でどこから幻想なのか?
役替りの度にまるで別人格になる実力派二人。膨大な台詞の応酬もタイト、言葉に力があるので物語にすっと惹き込まれます。その上、付添婦にミステリー風な味付けをし、さらに患者が付添婦に仕掛けた罠の結末は?と興味を逸らさない展開で早く続きを知りたくなります。

安奈さんの老女は気丈なくせにどこか寂しげ。毬谷さんのおどおどした付添婦から華やかな妹への役替りはドラマティックな振り幅で一瞬にして場の色を変えてしまいます。七色の声も堪能。

客席前3列のイスにまで白いカバーを掛けて完成させた真っ白なセット(美術:朝倉摂さん)の中、老女のストールやガウン、バッグなどの小物に真紅をあしらう極端な色遣いがまったく野暮にならずスタイリッシュ。ラストシーンはどちらとも取れるものが出現してちと謎。

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