彩の国さいたま芸術劇場シェイクスピア企画実行委員会「コリオレイナス」
3日ソワレ 彩の国さいたま芸術劇場シェイクスピア企画実行委員会「コリオレイナス」彩の国さいたま芸術劇場 大劇場
前日から期せずしてシェークスピア3本(前2本はハムレットだったから正しくは2作品3本)立て。
政治と戦争両面でのパワーゲーム。真っ正直に真っ直ぐでいるが故に不幸に陥れられる男の悲劇。いやぁ~~圧巻!!
友人が前方のとても観易いお席を取ってくれた(多謝!)こともあり、すっと物語世界に引き込まれ3時間半があっという間に過ぎていきました。
言葉の大群が意味を持って力強く押し寄せてくるので、全身で受け止めざるを得ない、というか、そうでもしないと押し潰されそう。大音声絶叫型の台詞がこれほど明快に内容が伝わってくるのは珍しいと言ってもいいでしょう。唐沢さん勝村さん白石さんの膨大な長台詞がひしひしと胸に迫って、後半の展開はそれこそ固唾を呑んでぐっと力を篭めて観守るばかり。
終演後は心地よい全身疲労と脱力感でいっぱい。観劇も体力勝負だよね、を久々にその場で実感。
とにかく唐沢さん、勝村さん、白石さん、のお三方が凄まじい。とてつもない運動量の唐沢さんと勝村さん息が上がりもせず朗々とした長台詞は染五郎さんといい勝負だと暢気な観客は後から思うのでありました(^^;白石さん独特のイントネーションが産み出す言葉には言霊宿りまくってる気がするし。
香寿さんは控え目で楚々とした女性を演じていてオレステスの時と別人のよう。民衆を言葉巧みに操り小悪人然とした嵯川さんの護民官が何か喋る度にイライラさせられる。
舞台には宝塚ばりの大階段。段の幅も傾斜角もほぼ同じような19段で、違うのはキラキラピカピカではなく、ごつごつした石段風になっていること。足元まですっぽり覆った厚地の衣装にじゃらじゃら飾り物を付け、足元も見えない状態で何度も何度も駆け下り駆け上がるのは若手だけじゃなく嵯川さんや樋浦さんも含めた全男性キャスト。しかも本当に階段落ちをする役者さんまでいて、ちょっとした手違いで大怪我になるのではないかと心配になる。それ以前に普通の芝居と比べ数倍の体力と集中力が必要そう。これを1日2公演やってるって...それだけでも役者さん達全員に拍手を送りたい。
階段のてっぺんには中央から2枚仕立てになっている障子絵風の書割。歌舞伎で主に室内で奥へ奥へと進む時に襖を何度も開けて奥行きを出す手法があるけど、蜷川さんは数種類を用意して書割だけでローマの広場、戦場、オーフィディアス宅など等に場面転換。
和風ベースでアジアン・テイストのセットや衣装や彫像はギリシア劇をアジアに置き換えているため。和風の刀での殺陣では「シャキーン」というSE~蜷川作品では珍しいのではないでしょうか?~が。他にも孤立するヒーローなど、同時期に上演している新感線の「朧の森に棲む鬼」と類似点が多いように感じます。個人的にはテーマに「ロープ」との共通点も感じられ、今、演劇に携わる方達が言いたいことは共通なのだなぁと思ったり。
この劇場で今日はじめてキャスト表が折り込まれていました。A4コピー1枚ですが、これは本当に重要、ありがたいです。今後もずっと続けて頂きたいものですね。役者さんと役名が不確かなままRを書くのは嫌ですもん。
まぁ公営の劇場主催公演なのだから無いのが不自然だとも思ってましたが。だってキャスト表付けることでパンフの売り上げにさほど影響はないと思うのね。詳しく知りたかったり、出演者のファンだったら絶対買うもの。
写真は地下ロビーで開催されている衣装展示。コリオレイナス開演前にはミニコンサートあり。


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