シス・カンパニー「禿禿祭」
20日(土)ソワレ シス・カンパニー「禿禿祭」世田谷パブリックシアター
高橋克実さん八嶋智人さん『トリビア~』で全国区の知名度を得た今や超売れっ子のお二人による舞台。チラシ情報では短編の芝居と日替わりゲストとのトーク。
彼等を知ってるという人達で舞台出身と知る人の割合はどの位なんでしょうね?超満員で3階最後列にまで立ち見が出る盛況ぶり。
開演前、休憩後に面白カッコイイ村岡希美さんの場内アナウンス。そういやケラさん演出だったよねと思い出した(^^;
第1部 岸田國士戯曲「命を弄ぶ男ふたり」
鉄道自殺をしようと土手に来たものの、踏ん切りがつかない眼鏡の男。そこへ同じく人生を儚んだ包帯を顔に巻いた男がやって来て...
幕が上がって土手と線路が現れた時にはちょっとビックリ。だってトーク有りということで、動かし易いもっと簡素なセットだと思ってたんですもん。まぁよく見ればさほど巨大ではなく、演劇より映画などで使われるセットに近い騙し絵風。裸電球の街路灯、線路と土手、たったそれだけで時代感覚を表現できちゃうものなのね。走馬灯風の背景映像もいい感じでした。
鉄道線路に飛び込んで死のうとする人がたまたま同一時刻に同じ場所で出くわす、そのシチュエーション自体すでに笑える要素だ、という視点からのケラ演出は、とかく真面目に重々しく演じられがちな岸田戯曲に笑いを取り入れていて新鮮。八嶋さんのテンポが戯曲に現代を取り入れて、「~したまえ」など時代がかった言い回しを普段から言い慣れてるかのような高橋さんの台詞術が本来の世界も置き去りにしない。バランスが良いよね。他の人の戯曲を演出する時のケラさんって実に丹念で精緻。
第2部 ゲストを招いてのトーク
単にトークショーと思っていたら、いきなり若い女性のパラパラダンス。彼女達は“禿禿娘。”と言うらしい。打ち合わせで八嶋さんが「女性がたくさんいたら高橋さんも楽しく仕事するだろう」ってなことを言ったら実現してしまい、オーディションで選考したんだそうな(同行した友人によると中のお一人は「M!」に出てたとのこと)。娘の後ろの“。”遊んでるよね。
タキシードに着替えた2人がブランコ宙吊りで降りてきて暫し一緒にダンス。黒い羽根巻いて踊ってると何故だか高橋さんの羽根が八嶋さんの数倍抜け落ちて床に散乱(笑)
この回のゲストは清水ミチコさん。
トークのお題は「禿禿にも出来る声帯模写」。客席も巻き込んで全員でのFAX送信音のマネに始まり、あれこれ披露。FAXができると淡路恵子さんが出来るって言われても(笑)
ものまねの合間に昨日までのゲストのネタ話もあって、チケット取れなかった新太さんや三谷さんの回の話も聞けてお得でした。三谷さんは前日に予習に来て自前でネタ仕込んで来たそうです。そして清水さんに「僕はかなりウケました」とメールしてきたとか。
清水さんが話だけで終わるはずがない、との読みは的中(^^)v乗ってきたころ禿禿娘。達によりキーボードが運び込まれ、清水さんのミニライブ。客席に「聞きたいのありますか?」と尋ねたら即答で『ユーミン!』。ユーミンの作曲法ネタ、懐かしく聞きました。
「ほかには?」で『矢野顕子』。こちらは「ひとつだけ」を1コーラス。やっぱり似てる~。
最後は八嶋さんから「これだけは聞いて帰りやがれ、ってのはありますか?」とのフリに「ダメが出てCDにも入れられなかったので、こんな機会じゃないと聞けない」とのレアなネタを。これにはやられました。笑った笑った。禿禿のお二人もすっかり素で観客になって笑い転げてた。
似てる具合も凄いのだけど書き換え歌詞が実にお見事で、涙出るほど笑いました。こんなに笑いながら聞く「愛の賛歌」初めてだわ(笑)確かにカラフルだけどイロモノじゃないよね。八嶋さんがかの方のファンだそうで、笑いの中にもじ~んとするものがあったとか。
そしてラストは「青春アミーゴ」をほぼ忠実な振りで歌いながら客席降りまでしてサービス満点。
大満足なステージでした。是非とも2実現して欲しいですわ。チケ取りまた頑張るから。
しかし、劇場で舞台を見慣れてない観客が多過ぎちゃうと、それはそれで問題が。今日も真後ろの女性二人組が異様に盛り上がって過剰に大きな声(舞台の台詞が聞き取れなくなる位)で笑うし、2部でははしゃぎ過ぎでうるさいことこの上なし。悪気無いのは分かるけど、Jのコンサート会場みたいな参加の仕方されちゃうと周囲は辛いのよ。
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