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December 12, 2006

zupa「幻想の虹」

8,10日 zupa「幻想の虹」pit北/区域
山の手事情社の水寄さんとOrt-d.dの倉迫さんによる新ユニットの“第1回クリスマス公演”と銘打った旗揚げ公演。サブタイトルは「私のほしいものを銀の大皿にのせて」。
作品のテーマ素材は『カリギュラ』と『サロメ』。双方のテキスト抜粋から膨らませたイメージの断片を、山の手の印象に近い手法で綴る連想空間。

脅かすものと脅かされるものが入れ替わりすり替わり。読んでる時には予想も付かない状況で語られる古めかしい台詞が妙に現代的だったり、まるで別の意味を持っていたり。
サロメの事件を隣の家の女中達(ちょっとだけジュネ?)が台所でゴシップネタにしちゃうわ、宴会の余興にやる「カリギュラ」の練習をする工事現場の監督がおくに訛りで台本読んじゃうのが不思議に違和感ないとか、軽やかな発想と本来のシーンのまぜこぜ。次に何が出てくるのかと待ち構えて観てました。
目の前で演じられているシーンを受け止めながら、更に自分の中では戯曲に戻っていったり別の何かを思いついたり。アメーバみたいに広がっていく情景が二重写しとなって面白い。自分がテキストをどう読んだか?ということもあるのだろうけど、セゾニアの物語だなって感じましたが、たぶん人によってそこは様々なんじゃないかな。

身体能力に優れた役者さん達が狭い空間で濃密に絡み合うのを観ているのはほんとに心地良いものです。織田果南さんのしなやかな猫は撫でてみたくなっちゃった。
大井さん、髪型が挿絵の星の王子様みたいですてき。その姿で微笑んだ直後にDVの二重人格を演じられると背筋が寒くなるほど怖いの。八代さんのカリギュラは繊細で放っておけない(あぁだからセゾニアの気分になるんだな)。長さん風現場監督のラストシーンはなぜカリギュラがホームドラマになっちゃうんだ?と驚かされた上に卑怯だと思いつつしんみりさせられて。水寄さんのサロメが生々しくエロくて好き。ヨカナーンに拒絶されて酸っぱい葡萄になるシーンでは乱れた髪がメデゥーサみたいだった。

劇場はもともとがバーだったそうで、やたら狭い階段をうねうねと曲がりくねって地下1階部分にスペース半分位のフロアがあって、更に降りた地下2階部分が客席と舞台。クリスマスの電飾で階段の手すりや足元を照らしていて演出効果大。会場入りの時点で非日常空間へすんなり入っていけます。
舞台上の吹き抜けを使って地下1階部分もアクティングエリアとして使うため真上には照明を吊らず壁からいてるのだけれど、あかりの使い方がとてもキレイ。

P1010026終演後に入ったおでんやさんの玉ねぎと厚揚げ。トマトおでんが名物とのことだけど京湯葉があったりブロッコリーやエリンギなど洋物野菜も豊富。トマトはオーダーしてから澄んだ出汁でじっくりと。和風ポトフってことね。

空間は良いのだけど客席の設営にはかなり問題ありかと。下北沢でもこんなにぎゅう詰めなとこは少なかろうという位に個人辺りのスペースが小さい。横席はまだ段差も前とのスペースもあったけれど、舞台正面側は段差が極端にない雛壇に小さいくせに段差よりも厚みのある座布団(クッション?)の座りがいまひとつなので上演時間90分は体育座りから身動き不能な客席での限界時間でした(^^;
地底探検めいた雰囲気が良くて好きな空間ではあるので惜しい。いっそスタンディングで観たかった。

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