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September 07, 2006

ホリプロ「オレステス」

6日 ホリプロ「オレステス」シアターコクーン
初日。なのでネタバレない程度に。

翻訳の山形治江さんの事前講座で仕入れた情報では『難しいからギリシャ人でも滅多に上演しない位。蜷川さんに何度も止めたほうがいい、って言った』理由は『人物名が判り難い。物語が始まる前のストーリーを知らないと人間関係が判り難い。悲劇のパターンである転落はしないし敗者の美学もなくて観客を納得させ辛い。だから見せ場は多いけど成功しない舞台。』だそうで。
それでも今、藤原くんで、この作品をやりたいという蜷川さんのたっての希望で実現した舞台なんだとか。

シンプルなセット。コクーン独特の左右のテラスに打楽器奏者。ちょっと奇抜な効果を贅沢に用いながら、演じ手は正攻法でオーソドックス。

いつもながらあんなに華奢な中嶋さんのどこから生まれるのだろうと不思議に思える力強さを堪能。特に今回はまっすぐに強い。
藤原くん、3人の女神達に悩まされてる時は従来と似た感じだったけれど、後半になってすっくとした所から感情に流されない台詞回しが目当たらしい。
有起哉くん、登場の瞬間にカッコいい!と、ときめいてしまいました(笑)髪型が好みなんだもん。鋼太郎さん達と比べ発声法が一人異質な感じがするのだけれど、それも役柄として悪くないかと。ただ所々で息切れというか調子がブレるのが気になる。

ラストシーンはニナガワさんらしく。
山形さん曰の上級者の見所、アポロンの登場のさせ方(いかに観客をしらけさせないか)は、さすがでした。

これからご覧になる方でオレステスの前後の話を知らない方は、アトレウス家の人間関係は調べておくと心置きなく芝居に没頭できるかと。じゃないと『「それ誰?」って思いながら観てると、判るころには芝居が終わっちゃいます』

お土産はアメリカとレバノンとパレスチナ。ヨルダンもみかけたっけ(謎)

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