山の手事情社EXTRA企画「ひかりごけ」
30日ソワレ 山の手事情社EXTRA企画「ひかりごけ」無月
数年前に地域のワークショップ講師だった倉品さんが、ワークショップ終了後に口説いて演劇活動に引っ張り込んだという60歳以上の素人さんだった女性3名。昨年同じ作品を上演し、それが好評で3人とも山の手に正式入団され、今回は劇団のEXTRA企画として上演されることになった作品。プロ女優としてのデビュー作ということになるのでしょう。
単なる難破船ではなく、戦闘要員としての乗組員が生き延びるために仲間の死体を食べ、唯一生き残った船長が裁判で弾劾されるまでの緊迫感ある物語。男性キャストで演じるところを倉品さんを含め4人の女優さんが演じることで産まれる距離感が冷静さを作り、物語の焦点を明確にしたように感じます。
究極の選択を体感した船長の痛みとテーマの重さがのしかかってくる後半、ちょっとした入れ事で場を和らげたフリをして更に観客を追い詰める手際が鮮やか。特に船長の飄々とした佇まいからは予想も出来ない重みのある台詞がいとも軽やかに口にされた時には、意表を突かれて胸が締付けられるようでした。
60歳、つまり戦争をどんなに幼い時とはいえ実際に経験している方達の持つリアルさは、どんなテクニックも追いつけないものだからなのではないでしょうか。
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