「ガラスの動物園」
23日 新国立劇場「ガラスの動物園」新国立劇場小劇場
通例では青年がやるトムを木場さんが演じるというので話題になってる作品。
小劇場の高さいっぱいいっぱいに吊るした布の壁に映し出される出演者の影が美しくどこか切ない。動物たち映像のCGはチープに見えて逆効果。
自分の夢の世界から現実に踏み出せない母娘二人の心象をマイムで表現するところが素敵。特にローラが愛されてると誤解して、その相手さえも置き去りにひとり夢の世界に漂う姿は、直後に引き戻される現実の残酷さを際立たせて。
中嶋さんの舞台はいつもその役としてそこで息づいてるのに驚かされるけれど、今回もローラのナチュラルさ、ジムのキスを待ち受ける時に流れる一筋の涙の自然さに驚嘆。木場さんのおだやかで深みのある声で語られると、家族の記憶はトムの中ですっかり整理がついている過去となっているように感じられ、物語との距離を感じてしまうのだけど、最後に大写しになるローラの表情は彼の心に今も残る痛みなのでしょうか。
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